PXC 新COO就任記念 特別インタビュー セールスプロモーション業界のDXを現実化するPXC 新COO就任記念 特別インタビュー 

“Nothing seek, nothing find”

PXC Inc. 代表取締役COO 飯澤満育 Mike Iizawa

一歩ずつ着実にオフラインとオンラインをつなぐ

セールスプロモーション(SP)業界のDX戦略には、さまざまな販路を連携して顧客にアプローチする「オムニチャネル」などがあり、10年以上前から様々な取り組みがなされてきましたが、なかなかうまく機能しませんでした。大きな理由として、オンラインとオフラインをつなぐツールが成熟していなかったことがあげられます。QRコードの読み込みなど、オフラインからオンラインへの移動にはどうしても一手間かかるので、あまりユーザーフレンドリーではなかったと思います。

PXCとして、「売り場」の効果的なプロモーション支援について考えた時に、やはり「売り場」と「デジタル」を一足飛びでつなぐのは難しいと感じました。そうではなく、まずは現実的にできることから取り組むべきではないか。そこで、これまでSP業界を支えてきた方々と一緒に「SP業界自体をデジタルの力で効率的にする」ということをPXCが取り組むDXの第一歩として定義しました。オンラインで販促物を発注できる「ハンソクエスト」につながっています。今後は、PXCの事業の一つでもある生成AI活用エンジン「AMAIZIN」が「ハンソクエスト」の成長に大きく寄与していくと考えています。

ツールの活用で「セールスプロモーションとしてのDX」の実現へ

「ハンソクエスト」は、PXCと、実制作を行うパートナー企業の皆様が販促物をクライアントに提供する、いわば「ベンダー側」としてのDXです。ただ、市場環境や様々なツールが成熟してきた今、ここで終わるつもりはありません。今後は、売り場のDXに取り組んでいきます。つまり、オムニチャネルのような戦略を用いて、オフラインとオンラインを融合した「プロモーション側」としてのDXです。

前述のとおり、これまでは店頭からアプリの取得まで促すのは困難でした。ところが最近では、個別の店頭のアプリを介さずとも、LINEなど「すでに顧客が持っていて、店頭情報を届けられる」ツールが成熟してきました。加えて、今や店舗は「ショールーム化」してきています。つまり、顧客が売り場で実物を見て、後からよく調べてオンラインで購入するという流れが定着してきています。例えば、LINEで友だち登録をしていてセールの情報が入ってくれば、店舗で製品をみた顧客はその流れでオンラインで買いますよね。つまり、より実質的なオムニチャネルが可能になりつつあるといえます。わたしはこれまで20年近く、経営を通じてデジタル業界とWEBプロモーションの変遷を見てきました。その中で得た知識と、PXCが約50年の歴史の中で培ってきたリアルプロモーション、販促物制作などのノウハウを結びつけ、デジタルとリアル販促活動のシナジーを発揮させることが、わたしに求められる役割だと考えています。

飯澤満育(いいざわまいく) 1982年9月18日生まれ 神奈川県出身 明治大学商学部卒

明治大学卒業。米Value Click Brands, Inc.にてショッピングサーチエンジンの日本法人設立に参画。

2007年に株式会社エートゥジェイを創業し代表取締役に就任。

ECサイト構築、コンテンツマーケティング領域で成長させ、2018年にM&Aによりソフトクリエイトホールディングスに株式を売却。

2024年7月よりPXC株式会社、代表取締役COOに就任。

 

取材・執筆:尾垣未久

前へ
次へ