販促什器のつくりて視点
聞けば納得のはなし 販促什器製造で知っておくべきこと
“はじめての販促什器製造”は増加傾向にある
店舗やイベント出展で自社商品を陳列・販売する「販促什器」を作らなければならなくなった。販促什器製造で押さえるべきポイントは何か? このような悩みを抱える企業や担当者が最近多く見受けられます。景気不透明な日本では多くの企業が事業ピポットを余儀なくされ、それに伴いかつてはBtoBメインの企業がBtoC向け事業を立ち上げることになり、またOEMメインの企業が自社商品開発事業に乗り出すことになり、また最も合理的と思われるネット販売メインの企業が、消費者とのタッチポイントを広げるという目的から、ポップアップストアやイベント出展を企画し、そこではじめてリアルで商品を販売することになる等々。販促什器製造に不慣れな企業や担当者が増えた理由は様々です。販促什器製造におけるノウハウや重点ポイントは、伝える教科書や人によって様々ですが、今回UTSUSUでは大きく4つの視点でそのポイントをまとめてみました。
販促什器製造において予め留意すべきポイントを4つの視点で捉える
[視点1] 自社視点
当然のことながら先ずは自社視点があります。これは単純に云えば「何がしたいのか」の問いに対する答えです。
・ブランドのイメージや商品のコンセプトに合致しているか
・店舗の客層に合致しているか
・どのような場所に設置される想定か
ブランドイメージや商品コンセプトとの合致は当然のことながら販促什器が影響する範囲が限定的であることから設置する店舗の来店客層をターゲットにしたほうがより良いという視点もあります。またどのような場所で展開するのかを考慮することも重要です(室内外・明暗・人との距離・隣接する競合什器との比較等)。これに加え売り場で人の目を引くための仕掛けも必要となります。
・商品陳列数は合理的か
・スケジュール・納期は適切か
・コストは妥当か
商品陳列数は商品出荷ロット数を基点に考えると店舗からの発注効率が良くなることに加え、店舗側の在庫管理の妨げになりにくいです。また陳列数が少ないと店舗側での補充の手間が増加し、商品が無い状態が長くなるほど販売機会の損失になります。一方で陳列数が多すぎると一定の商品が手に取られにくい状態となり、商品の数%が売れないまま劣化してしまう懸念もあります。納期は店舗との商談時の約束事となるため予め十分な確認が必要です。通常最低でも1ケ月~2.5ケ月を制作製造期間の目安とし、それ以外にも社内における各所への確認や、場合によっては店舗側の承認が必要となるケースもあるため予め確認各所と想定確認期間を挙げておくと良いでしょう。コストの妥当性は商品の販売利益から換算するのが本筋ですが、定番商品化を狙うという戦略的意図から長期的視点で初期コストを検討する必要もあります。またコストの部分で最も見落としがちなのが輸送費です。販促什器を配送する場合、1個の什器のサイズと重さが輸送コストにそのまま反映されるという点を忘れないようにしましょう。
[視点2] 消費者視点
・機能的か
・安全か
消費者視点で捉えた場合、実はデザインは二の次です。…と断言するとやや語弊がありますが、実際のところ買って欲しいのは売り手側なのでデザインは什器製造における消費者視点の本筋ではないといえます。では消費者視点で留意すべき内容は何でしょうか。それは「機能性」です。機能とは“商品の出し易さ”はもとより“商品の戻し易さ”にあります。仮に相手が子どもであれば購入に関係なく商品を出し入れする可能性があり、一方で対象が大人であっても商品は常に消費者の購買意思決定の葛藤の中、何度も出し戻しされることが前提だからです。そしてこの機能性と連動するのが「安全性」です。什器は店舗に設置されたその瞬間から誰がどのように触るか分からないものです。当然その中にはいたずら盛りの子どももいます。ゆえに店頭販促における「安全性」は動的使用状況と消費者行動の仮説視点で想定しなければなりません。什器の不具合による事故やトラブルは販売店側の重大な責任になる為、損害賠償など大きな問題にならないよう十分な配慮をしましょう。
その他、人的影響因子だけではなく、設置する環境や設置期間による影響への配慮も必要です。例えば店舗の空調による影響や入口付近の外気による影響、さらに湿気や気温の上昇なども事故を発生させる影響因子となります。ゆえに適切な材料と品質を検討・判断すると共に、試作段階で十分な使用テスト(検証)を行う必要があります。
[視点3] 販売関係者視点
・組み立てや設置が簡単か
・廃棄し易いか
販売関係者視点の重視ポイントは=(イコール)消費者視点であることが前提となりますが、販売関係者ならではの視点として什器の組み立て易さや設置のし易さは極めて重要なポイントになります。昨今どの流通においてもスタッフが潤沢に確保できる状態ではない為、手間が掛かる=人手不足=人件費高騰という構図になることは店舗側が最も避けたい事柄だからです。また廃棄が店舗側の責任になるため、廃棄にかかる手間やコストへの配慮も必要です。
[視点4] 法規制と環境対応視点
・法規制に抵触していないか(景表法、薬機法、消費者契約法など)
・リサイクル可能な材料を使用するなど環境に配慮した材料を使用しているか
当然のことながら法規制に抵触しないよう表記に関する留意も必要です。また近年ではSDGsなど環境配慮の視点も社会的責任上、重要視しなければならないポイントになります。ひとくちに販促什器の製造といっても、複数の課題を全て踏まえた上で適正化することは容易なことではありません。情報は持っていたほうがベターではあるものの、実際の制作製造はプロに依頼するほうが賢明といえるかも知れません。
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