【シリーズ】Focus on PXC employees :  “守り”から“攻め”へ。法務を武器にPXCの未来を支える意志。 

(Interviewer:PXC株式会社 UTSUSU編集長 田村 典子) 

Interviewee:PXC株式会社 管理グループ
副グループ長 掛野 義都 氏 

 

管理部門の経験と法務の専門性を活かし、PXCの成長を支える存在

シリーズ第5回目は、2025年12月16日にPXCに入社された管理グループ 副グループ長 掛野 (かけの) 氏。これまでのキャリアや、PXCに入社されたきっかけ、今後の展望などについてお聞きします。   

 

PXC入社のきっかけ  

 

― 本日は宜しくお願いいたします。はじめにPXCに入社された経緯をおしえていただけますでしょうか。 

(掛野)人材紹介会社からのご紹介でPXCのことを知りまして、ホームページやプレスリリースを見て、面白そうなことをやっている会社だなと思い応募させていただきました。 

― 管理部門というのは、直接、製品やサービスをつくったり売ったりする役割ではありませんが、会社の判断・調整・統制・維持を司る、会社の“生命維持装置”ともいえる重要な役割ですよね。その管理グループの副グループ長として入社されたということは、グループ長の右腕として、弊社新川CFOのお眼鏡に適ったということですね。 

(掛野)そう言っていただけるのは有難いですが、自身では、“そうありたい”と思います。 

― 後ほど詳しくお聞きしますが、掛野さんは管理系の経歴やスキルを多くお持ちということでしょうか。 

(掛野)私は管理よりも法務の経歴のほうがずっと長くて、25年近くそれを軸足にしています。法務という専門領域スキルを高めながら、ご縁があった会社様に出来得るかぎりの成果を出していきたいという志向で、これまで複数の会社において法務だけでなく、それに付随した管理業務も色々と経験をしていましたので、PXCの新川CFOには、そういったキャリアの部分まで見ていただいて採用いただいたのだと思います。 

 

ビジネス経歴 

 

― 今のお話の延長線になるのですが、掛野さんのこれまでのビジネス経歴をおしえていただけますでしょうか。 

(掛野)大学在学中から検事を目指して司法試験の勉強をしていました。 

― 検事になりたかったんですね。 

(掛野)はい。当時はインサイダー取引とか、そういった経済犯に興味がありまして、それで学生時代からアルバイトをしていた法律会計事務所に入社して、そこで30歳まで勤めました。当時、都市銀行が何個か破綻したり、みずほ銀行が誕生したり、山一証券が倒産したりと結構大きい事象が多く起こった時代でした。その後、ご縁があった会社様で、契約関係ができて、法務の実務ができて、財務帳票を読める人という求人がありまして、そちらの企業に勤めました。その会社は、当時東証一部に上場した直後で、一番大変な時期だったんですが、そこでM&A部隊に本部として貼り付いて出張三昧の日々を送っていました。当然、家にはなかなか帰れず、洗濯をする暇もないので、ワイシャツが40枚ぐらい溜まったりしていました(笑)。そのあとも職業柄、数社に転職しまして、いわゆる企業法務と言われるところの契約審査であったり、必要な許認可であったり、実務的なところを中心に一通りの経験をさせていただきました。 

― なるほど、それが30代の経歴ですね。 

(掛野)はい。そして30代の後半に転職した上場企業で、法務だけでなくIRや当時潮流になり始めていた内部統制にも携わるようになりまして、それがきっかけで、もしかすると自分のスキルは、法務を軸足に置けば、例えば上場に耐え得るような管理体制をつくることや、ステークホルダーに対して会社の魅力をアピールできるようにするとか、そういった側面でも力が発揮できるのではないかと思いまして。それで、その後40代では上場会社を含めた3社で、法務だけでなく管理側面における土台づくりや、IR側面における価値づくりを行ってきました。 

― 法務という骨に血肉が付いていく感じですかね。 

(掛野)そうですね。40代は、法務を軸足にしながら会社における自分の貢献範囲を広げていくことを意識しながら職能を高めてきました。 

― 掛野さんの年齢ですと、40代のあとに50代の経歴もあるわけですよね? 

(掛野)はい。50代は40代の経験をよりスケールアップする志向で、大手企業に転職しました。PXCに入社する前の直近の企業は2000人規模の会社で、そこは、私が入って直ぐ東証一部に鞍替えしてプライム上場を目指していましたので、それに相当するリーガルリスクであったり法務体制であったり、契約審査であったり、様々な局面で必要とされる役割を担いました。 

― 学生時代、検事になりたいと思って法律を学んで、結果、検事になることを諦めはしたものの、その法務というスキルを軸に、貢献可能な範囲と規模を拡大し続けてきた軌跡が、まさに掛野さんのビジネス経歴というわけですね。 

(掛野)そうですね、特に40代と50代における志向の違いとしては、40代は「こういうことをやってきました」「こういうことができます」といったスキルの幅を広げたり、深掘りすることが中心でしたが、50代になった今、私が強く意識しているのは、所属している会社の中で自分が何を残せるかという自身の「布石」です。人材育成も組織の仕組みも、その会社で、できるだけ長く活きるものを残していきたいと思っています。 

 

仕事をする上で大事にしていること 

 

― 掛野さんが仕事をする上で大事にしていることをおしえていただけますでしょうか。 

(掛野)なぜこの法務関係の仕事をやり始めたのか、という私自身の根幹部分になるのですが、最初に勤めた法律会計事務所にいた当時、倒産とか破産がものすごく多かった時代で、そういう時だったので、私も弁護士と一緒にとにかく一生懸命仕事をしましたし、その結果クライアントにものすごく喜んでいただくことも多くて。その時に、自分が学んだことで、困っている人を助けることが出来たり喜んで貰うことが出来るんだ、と思ったことが一つの成功体験として残っていて、さらに喜んでいただくにはどうしたら良いかという視点で考えはじめるようになりました。今は、本当にその人にとって必要なものは何か?ということを常に意識しながら、公平性とのバランスを取ることが重要だと思っています。 

― ご自身のスキルが誰かの役に立つということが、掛野さんの初動のモチベーションでありつつ、今は企業の要望と法的側面とのバランスを重視されていると。 

(掛野)そうですね。例えばですが、あるお題に対してAさん ・Bさん ・Cさんが、それぞれ質問や相談をしてきた時に、必ず一様に同じ説明をするということも、わたしが大事にしている姿勢のひとつです。相手の顔色を窺ったり、相手に合わせたり絶対にしない。そして、たとえどんな立場の人でもえこひいきをしない。その公平な対応そのものが何よりの信用だと思いますし、仕事をする上での自分のポリシーと言えると思います。実際どんな人でも、性格や考え方は異なりますから、相性が合う ・合わないはやっぱりあるんですよね。ですので、私が周囲から評価をされて嬉しいと思うのは、私という人間と馬が合う・合わないに関わらず、相談や質問に対する返しが常に公平であるということに尽きると思います。 

― なるほど。「法の番人」ではないですが、立場的にご自身がぶれない軸をしっかり持って、常に一貫性のある対応をすることが、掛野さんが何より重視されていることだということですね。 

(掛野)そうですね。それには「なぜ、あなたはそういうことを言ったのですか?」「なぜ、あなたはそういうことをやったのですか?」と言われた際に、「こういった理由だから、こういうことを言いました・やりました。」という説明をしっかりすることも大事だと思っていて、そこで相手に「そういうことだったんですね。」とか、「納得しました。」と言って貰うことが成果だと考えています。 

― 相手に納得して、理解してもらうための努力を惜しまないということですね。 

(掛野)相手にちゃんと伝わってない状況ってよくあるじゃないですか。でもそれって誰の責任かというと、伝える側の責任なんですよね。伝える側が、相手に分かるように・理解できるようにきちんと伝えられていない結果でしかない。このことは、私が初めて入った法律会計事務所の上司から教えられたことです。 

― おっしゃるとおりですね。相手が誰であっても、その人の理解できるレベルに合わせて、ときには相手が分かるよう噛み砕いて、納得を得られるまで丁寧に説明をするという、その姿勢を貫くということが大事だということですね。でも実際には、かなり骨が折れる事ですよね。 

(掛野)そうですね。だからこそ、敢えて私が非常に大事にしていることと言えますね。 

 

現在、精力的に取り組まれていること

  

― PXCに入社されてまだ間もないのですが、今、現在、掛野さんが精力的に取り組んでいることをおしえていただけますでしょうか。 

(掛野)入社して間もない身ではありますが、すでに今後PXCの企業としての様々な局面における対応について、色々と相談を頂いていますし、それに伴う書類の作成なども着手し始めています。ですが、やはり最初なので、それまでの経緯など未だ把握し切れていない部分も多々あるのですが、一旦は全てを「聴く姿勢」で臨んでいます。そういう意味で、今、私が精力的にやっていることは、自分がこれから対応すべき案件の情報を 「全部、一度飲み込んで消化する」ことですね。 

― なるほど。一度に全て理解できなくても、これまでの経緯とか事情を含め、まずは全ての話を聴いて、その上で不明点を一つずつクリアにし、本当の意味での改善策を見出していくということですね。 

(掛野)はい。もちろん完璧には出来ていないかもしれませんが、基本そういった志で取り組んでいきたいという思いも含めてです。とにかく、相手に「この人は、話を聞かない人だ。」と思われてしまったら、それは仕事における「負け」なので。「仕事に負ける」という表現は、わたしが最初に勤めた法律会計事務所で上司に言われた言葉なのですが、仕事上で相手の話をしっかり聞かないという行為は、話をしている相手をバカにしているということではなく、仕事そのものをバカにしている=即ち「仕事に負ける」ということなのだと。 

― 先ず相手の話を聴くということが、仕事の基本中の基本という教えですね。 

 

今後の展望

 

― 掛野さん流で言うところの、今後の中長期的な「布石」のイメージを教えてください。 

(掛野)まずは、管理部門の仕事を社内で見える化できたらと思っています。事業部や部門が異なると、皆忙しいこともあって相互理解が難しくなり、結果 「縦割り」になりがちなのですが、会社組織が完全に縦割りになってしまうのは、もったいないことだと思うんですよ。というのも、会社組織は縦割りを掛け算すれば、もっと面白いことできると思うからです。実際、私が以前勤めていた会社で、開発部門が開発した製品の商標を、管理部門としてかなりの数、登録申請していたのですが、ある日、とある大手スポーツクラブの経営企業から電話がありまして。 

― え?なんかちょっと怖いですね。 

(掛野)はい。正直、一瞬ドキッとしました。もしや権利侵害とかの申し立てじゃないだろうかとか。そしたら、当時その会社で申請していた登録商標を譲渡して欲しいという申し入れだったんです。 

― 「御社で商標登録されているこのロゴが欲しい !」と。 

(掛野)はい、 「譲渡していただけないでしょうか。」というご相談の問い合わせでした。その話を営業部門にしたところ、「それだったら、こんなこともできるよね。あんなこともできるよね。」という話になって。結構、面白い仕事になりました。 

― つまり、管理部門と営業部門が接点を持ったことで、それまで単に企業内における必要業務のひとつだった商標登録手続きが、ブランドや製品のネーミングとロゴを開発し、さらに商標登録を完了した状態で譲渡(販売)する、という新規ビジネスの創出に成ったわけですね。 

(掛野)そういうことです。そういう部門間の掛け算が生み出す新しい成果は、単に「お互い頼まれたからやる」というような関係では生まれにくいんですよね。私が今後、管理部門の仕事を見える化したい、と考える意図は実はそういうところにありまして。例えば、管理部門に相談すると、管理系のことはもちろん、こんなこととか、あんなことも相談できるかもしれないと他部門が知っているだけで、それをきっかけに組織がより強くなったりするので。 

― なるほど。確かに管理部門というと、特に一般社員からするに、他部門より接点があるようで無いというか…、あくまで“管理専門”という印象が強いですよね。でも実は、営業部門であっても、先ほどの話の例のように、ビジネスとしての発展性を見出す可能性も然ることながら、自分の仕事が法的に問題ないかということを、いつでも気兼ねなく相談できるという観点から、クライアントの依頼に対する対応も、自ら企画したアイデアや実施案も、かなり自信を持って提案できるということにもなり、それはビジネスの拡大・発展上、かなり大きなファクターと言えますよね。当然ですが、不明点や不安を抱えた状態ですと、営業は自己防衛本能で積極的に依頼を請け負いませんし、提案もしないですし、そもそも売り込もうともしませんので、その営業の消極的な言動が、いつしか企業の収益低下に繋がりかねないと言っても過言ではないですよね。 

(掛野)今、良い返しをいただきましたけれども、直接販売する営業部門が、販売に伴うリスクをどこまで把握できているかということは、ビジネス上、非常に大きいポイントだと思います。クライアントに対して、そういった話が出来るか出来ないかという事が、提供する製品やサービスに対する信頼の違いになりますからね。 

― おっしゃるとおりですね。わたしも以前は20年以上営業職でしたが、営業をやっていて何が一番怖いかというと、見えないリスクがあることですよね。リスクがクリアにならないと当然積極的に提案しにくくなって、取れたかも知れない仕事が取れなくなるという機会損失になりがちですし、一方で、収益性の高い仕事は、往々にして内容が複雑化しますし、複雑になればなるほど、さらにそこに新しい挑戦が加われば加わるほどリスクは高くなるわけで。ここ数年は、そこに輪をかけてAI技術を含んだサービス展開も入ってきていますから、法的問題とか、サービスに対する責任を負える範囲とか、懸念すべき点は何なのかとか、そういったところを企業としてきちんと把握し、クリアにしていなかければならないですよね。 

(掛野)そうですね。今はPXCに入社して未だ間もないので、とにかく今後、取り組むべき課題の情報をインプットして、自分の中で理解してということを繰り返している段階ですが、ゆくゆくは法務のワークフローをつくりたいと思っています。以前の会社でも作成したのですが、中でも「法務同行」というフローが結構好評でして。 

―「法務同行」ですか? 

(掛野)はい。言葉のとおり法務担当者が打合せに同行・同席するというフローです。様々な場面で合意を取る際に、後々になってクライアントや関係会社間で法的に揉めることが無いようにするリスクヘッジの一手段ですね。今後、中長期的には、そのようなことも提案していけたらと思っています。 

― なるほど。そういったことは、社内だけでなくクライアント側からの信頼獲得にも繋がりますよね。 

(掛野)そう思います。 

― 確かにそういった 「信頼」を築くことが、今後、仕事の規模や受託期間を拡大させる基盤になるのではないかと思います。掛野さんは、暫くは目の前のタスクでかなり多忙かと思いますが、お話をお聞きしまして、今後、間もない未来では、会社の信用を高め、収益拡大にまでご貢献いただける方なのだと思いました。 

(掛野)ありがとうございます。是非そうなるよう尽力したいと思います。新しい仕事や複雑な仕事や規模の大きな仕事は心配事も多いですが、それってワクワクとの表裏一体だと思いますし、実はそういう仕事がやっぱり面白いなと思います。管理部門というと、一般的には「守り」のイメージが強いと思いますが、実は 「攻め」の部隊と一緒になって事業を発展させていく裏方なんですよね。 

― 表方の人が上手く立ち回れるのは、裏方の人たちの支えがあるからであって、且つ互いの信頼があるからこそ、企業として大きな目的を達成し得るということですよね。掛野さんがPXCにジョインされて、今後のPXCの益々の発展にご尽力いただけることを大いに期待しております。本日は、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。 

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