【シリーズ】Focus on PXC employees :培った知恵が、次の挑戦を支える。
(Interviewer:PXC株式会社 UTSUSU編集長 田村 典子)

Interviewee:PXC Inc.
ハンソクエスト事業 G SP ユニット 2 村本 弘之
ハンソクエスト事業 G SP ユニット 3 大熊 政志
シリーズ第 1 回目は、今年 PXC に新たに加わった社員のお二人に、これまでのキャリアや、PXCに入社して感じたこと、お二人の今後の展望などについてお聞きします。
― PXC に入社されてまだ 3 ケ月程のお二人ですが、前職でつながりのあるクライアント様へ足蹴く通われ、すでに幾つかの案件が提案フェーズに入っています。各部署のメンバーと連携することも徐々に増え、少しずつですが互いを知るようになってきました。しかしながら、部署柄まだまだ二人のことをよく知らない PXC メンバーが多いことも事実です。この 「Web UTSUSU」のインタビュー企画が、社内外ともにお二人のことを知っていただく機会になればと思います。
これまでのキャリアについて
― お二人は中途採用で PXC に入社されましたが、世の中的にはいわゆるベテランと呼ばれるご年齢かと思います。ついては、まず初めにお二人のこれまでのキャリアについておしえていただけますでしょうか。
(村本)印刷業界での仕事が、わたしの一番長いキャリアになります。セールスプロモーション業界の印刷をメインとする会社に勤めていました。そこでは、大手広告代理店様や大手印刷会社様の仕事もしていましたが、わたしは主に直需クライアント様の担当が多く、どちらかといえば割合大きなプロジェクトを長期間にわたり、顧客との信頼関係を作り上げながら進めていくような案件がメインでした。
― なるほど、ありがとうございます。PXC は基幹事業がセールスプロモーションですので、先ずそこに強い親和性があるわけですね。それと印刷業に詳しいというキャリアが、PXC のモノづくりに共通するところですね。PXC は印刷そのものを事業としているわけではないので、そういう意味では、実際に印刷会社にいらっしゃった村本さんは、特に印刷に関しての知識は PXCメンバーよりも多くお持ちになるのかも知れませんね。
(村本)そうですね、こと紙媒体に関してだけ云えば、経験 スキルという点では、もしかしたら今 PXC にいらっしゃる方々よりも詳しい可能性はあると思います。
― 印刷業のキャリアは年数でいうとどのくらいですか?
(村本)20 年くらいですかね。
― それは確かに、印刷業に関しては一部の PXC メンバーよりも知識がお有りかも知れませんね。 20 年前から今の時代まで印刷手法の遍歴なんかもずっと見てこられたかと思いますが、最近は印刷の版下データをちゃんと作れるデザイナーさんが本当に減りましたよね。デジタルクリエイターが多くなっているので、避けられない時代の流れだと思いますが。
(村本)そうですね、私自身もいちばん最初に覚えなきゃいけないと思ったのはプリプレスの部分でした。当時、現場の担当者にはかなりレクチャーをして貰いました。自分が携わる仕事やクライアントに提供するものは、直接担当する業務で無い範囲まで、出来る限り知って置くべきだというのが、わたしの基本スタンスです。

―それでは続いて、大熊さんのキャリアをおしえていただけますでしょうか。
(大熊)わたしは主にエンターテインメント業界で働いてきました。前職は大手外資系企業で、そこでゲームと映画関連の仕事をしていました。ゲーム分野では、事業の立ち上げから拡大までを担当しまして、映画配給事業部に配属になってからは、興行者様への映画上映のブッキング交渉を担当していました。映画業界も時代とともにかなり様変わりしまして、最近は昔と違って映画をヒットさせるのも難しい世の中になってきていましたので、出来るだけロングランになるよう働きかけることなども、わたしの役回りでした。
―そうすると大熊さんの場合は、セールスプロモーションというマーケティング活動の一部ではなく、事業そのものをドライブさせるという、ビジネス寄りの仕事を中心にされていたわけですね。
(大熊)そうですね。但し、事業を成功させる為には、マーケティング活動としてセールスプロモーションも含めて全てに取り組む必要がありますので、PXC のようなセールスプロモーション専門会社に依頼して、課題を共有しながら一緒に企画やアイデアを考えたりしていました。
― なるほど、大熊さんはクライアント側の立場から、販促の重要性とか、どういうことをやったら良いかとか、どんなものの受けが良かったか、みたいなことを実際に経験されてきたわけですね。
(大熊)そうですね。目的を明確にしながら、一方で時代によって変わっていく「見せ方」の部分は、専門的な知見や最新のアイデアを外部のメンバーに貰いながら一緒に考えてやってきた感じです。

これまで担当した仕事で印象深かった事柄について
― お二人ともキャリアが長いので、これまで様々な出来事を経験されてきたかと思いますが、中でも、お二人にとって印象深いエピソードをおしえていただけますでしょうか。
(大熊)一番苦労して一番成功体験を得られたのは、前職の外資系映画会社のゲーム事業立上げの仕事ですね。映像事業ではよく知られている会社ですが、ゲーム事業は全くの新規参入でしたので、B to B においても B to C においても人脈や認知を広げながら、少しずつ信頼を積み上げていく活動をとにかく愚直にやり続けました。結果が出ない時期が 1~2 年ありましたが、不退転の決意でやり抜きました。とにかく試行錯誤とチャレンジの連続でした。
―挑戦の日々だったのですね。
(大熊)そうですね。その挑戦の甲斐あって事業立ち上げから 4 年目でようやく事業拡大に成功しました。それまでの多くの苦労も含めて本当に良い経験が出来たと感じています。
― 当時一緒に取り組まれていた関係者や社内のプロジェクトメンバーと共にした苦楽も含め、忘れられない仕事になったという感じですかね。
(大熊)そうですね。もともとチームワークの強い会社でしたけど、特にそのゲーム事業の立ち上げメンバーとは深い繋がりが出来ましたね。
― 新しい挑戦での成功に苦労はつきものですよね。そして不思議なもので、苦労した分だけ喜びが倍増するという。人間ってなんとも不思議な生き物ですよね。楽をして成功を得られたほうが本来的には望ましいですし、効率が良いのでしょうけど、何故か苦労して得られた成果のほうが心に残るという。これは単に成功というよりも、それまでの間、一緒に苦労してきた仲間との思い出とかも含めての、人の感じる価値なのでしょうね。
(大熊)そうですね、本当におっしゃるとおりだと思います。

―村本さんの忘れられないエピソードはどんなことですか。
(村本)前職でも長年営業職でしたので、当然、数字を追わなければならなかったですし、一方でそれが喜びでもあったので、数字を達成することに遣り甲斐を感じていましたが、やっぱり一番の喜びは、直需クライアントから頂ける嬉しい言葉ですね。依頼者に直接感謝されることが数字以上に嬉しいものだと感じていました。その思いもあって、代理店からの依頼仕事ではなく、直需のクライアント開拓に力を入れて活動していました。その中で、わたしの一番思い出深い出来事は、国内大手の製薬メーカー様との直取引が開始できたことです。本格的にお取引をさせていただいた時に依頼された案件が 1 億円以上で、正直、武者震いしました。とにかく失敗できないという気持ちと、自社で対応しきれるのだろうかというリスクマネジメントの部分が、大きな不安要素でした。いわゆる中小企業規模の印刷会社でしたので、案件は基本的に担当営業が一人で全てをこなすスタイルでしたし、加えて自社工場の稼働率を上げなければならないというタスクもある中、それでもその 1 億の案件はどうやっても自社だけでは対応ができないと判断しまして、パートナー企業探しからはじまり、最終的には 10 社の企業様にご協力いただいて、なんとか収めることができました。これまでに経験したことのない大規模な案件に携わることによって、わたしだけでなく会社自体も成長出来たと感じましたし、大規模な案件は営業が個々に動くのではなく、プロジェクトとして複数名で携わってこそ成し得るもので有り、チーム体制で取り組むことも必要だという気づきを会社として得られたことも大変嬉しく思いました。
―大きな仕事って、依頼を頂いて一瞬は飛び上がるほど嬉しいんですけど、その数秒後にはもう不安になっている自分がいますよね。不安というか、村本さんもおっしゃっていたとおり、リスクヘッジの部分ですよね。わたしたちの仕事は、製品やサービスを販売するメーカーのような仕事では無いので、依頼を頂いた段階では未だ何も始まっていないというか、ゼロからのスタートで、数か月間、とにかく無事に完納 完了するために試行錯誤と四苦八苦を繰り返して、結果、上手くいけばようやく報酬が貰えるという。なので、フロントマン(=担当営業 AE プロデューサー等クライアントと直接話をし、プロジェクトの指揮を執る役割をわたしはそう呼んでいます)の考え 発言 行動 指揮など、それら一挙手一投足がとにかく重要で、それこそが成功の鍵を握っていると思っています。なので、大きな仕事を依頼いただいたときは、嬉しいと怖いが混在しますよね。でも村本さんのお話のとおり、会社の中で誰かが新しく大きなことに挑戦することで、組織自体がそれに適合しようと変化を遂げていく。誰かがリスクを背負ってやりきろうとすることで、それを成功させるために協力した全員の経験値が上がる。企業にとって最大の成長要素は、誰かがもたらす新しく大きな挑戦にあるのですね。

PXC に入社して感じたこと
― お二人は、これまでのキャリアでセールスプロモーションという仕事にそれぞれ当時の立場で関わられてきたと思うのですが、PXC は SP 総合代理店という事業形態で、ひとつの事柄を専門的に行うというよりも、MMM(マルチ マテリアル ッックス)というキーワードで掲げているとおり、様々な手法を複合的に組み合わせて提供することを強みとしているのですが、PXCに入社されて感じたことなどがあれば、おしえていただけますでしょうか。
(村本)そうですね、入社前から PXC のホームページはもちろん、PR Times のプレスリリースもよく見ていて、そこではかなりデジタル色が強いイメージがあったのですが、実際入ってみると、リアル方面でもかなり頑張っているっていうのが第一印象でした。
(大熊)そうでうね。今、わたしがいるチームは展示会の問い合わせがすごく増えていて、コロナ禍が明けて、企業のリアルなアプローチが増えてきているということを目に見えて実感しています。以前わたしがいた映画業界でも、ひとむかし前は入場者プレゼントでデジタルものが一時期すごく流行ったんですけど、結局すぐに消えてなくなっちゃって。今はとにかくリアルなアプローチが生活者に求められている状況にあるのだと感じますね。それと、PXC では今、XR プロモーションを積極的に提案していますが、この手法が一般化するまでには様々なステップがあって、当然苦労も多いと思いますが、その知見の蓄積がいずれ強みになってくると思います。
仕事をする上で大事にしていること
― お二人が仕事をする上で大事にしていることをおしえていただけますでしょうか。
(村本)私の場合は営業職なのでお客様対応がメインになりますが、お客様以外でも、仕事で接する全ての人とのコミュニケーションを大事にしています。自分が関わる方々がどういった考えを持っているのか、予め質問を用意して引き出せたヒアリング内容を咀嚼して整理し、自分の中で答えを出すというプロセスを大切にしています。

― 自ら話すことよりも、人の話を聞く 相手の本音を引き出すということに重きを置かれているということですね。相手の本音や課題を聞き出すことによって、その解決策を考え、アイデアを提示していくという行動は、ゼロから何か生み出す仕事ではすごく重要なことですよね。
(大熊)わたしは今、自身のキャリア上、繋がりの深いエンタメ業界を中心に新規営業をしていますが、当然、提案型営業が必須です。例えば、このタイトルでこういった理由で、この時期にこんなことをしませんか?という提案を持っていくことは最低限必要で、若干時間がかかったとしても、案件を顕在化させ受注する為には避けて通れない道のりだと考えています。これは、昔、わたしが上司に言われた言葉ですが、 「課題とか問題を避けて通るのではなく、できるだけ真っ直ぐそこを通っていくことこそが、結局は解決への近道であり、自分の力を付ける要素である」と。「いずれそれらの経験が活きる場面が来る」と。わたしはこの言葉のとおり、また経験則上でも、今起きている目の前のやらなければいけないことに対して、しっかりと地に足をつけて向き合い、ひとつひとつ愚直に取り組むことを大切にしています。
―種を撒いて、水をあげて育てて、その成果を刈り取るまでの工程はすっ飛ばせない。
(大熊)すっ飛ばせないですよね。勿論、早期刈り取り可能な案件も並行して獲得しながらですけど。
― そうですね。先々の刈り取りの為に必須なこの「種撒き」や「育てる」活動を怠って目の前のことしか考えない行動をしていると、延々に先の見通しが立たない自転車操業になりますよね。我々のような業態は、一見この「種まき」や「育成」が時間のかかる無駄なことと判断されがちですが、画一的な製品やサービスを販売する企業は、それらの開発に相当なお金と時間をかけていますからね。基本、全くそれと同じことですよね。そして当然、製品もサービスも、つくったからといって売れるかどうかわからない、後回収のリスクはかなりなものですしね。仮に自社で開発せずに商品を仕入れて代理販売したとしても、在庫リスクがあることには変わりありませんしね。

今後の展望
―最後に今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか。
(村本)わたしは、基本リアルなマテリアルを得意としたキャリアを積んできましたが、PXC の掲げる MMM を体現する案件の創出に尽力できればと思っています。そして、PXC における MMM 案件の勝ちパターンのようなものを確立できたらと思います。
(大熊)ハンソクエストのメンバー企業様は勿論のこと PXC 社内にも色々なリソースがあるので、それを上手く組み合わせて 1 社から獲得する案件の規模を拡大していきたいと思っています。とにかく、ここ数年でどの業界も大きく様変わりしているので、変化に対応していけるチームをつくって、売り上げに対する責任と PXC がこれまで取引のなかった業界とのパイプづくりの他、わたしの知見を PXC のノウハウとして提供することでも貢献していければと思います。
― お二人とも共通して、【ご自身のキャリア】×【PXC に在籍していること】という、掛け算の考え方で取り組まれる姿勢ですね。ありがとうございます。これまで培ってこられたキャリアが PXC で更に活かされて、お二人がご活躍されることを期待しています。引き続きよろしくお願いいたします。
(執筆 田村典子)
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