裸眼XRがつくる「次の視覚体験」──空間ディスプレイがビジネスを変える

注目される裸眼で見えるXR技術
近年、XR(Extended Reality)は急速に広がっていますが、その中でも特に注目されているのがデバイスを必要としない“裸眼XR“です。従来のXRはヘッドセットを装着することが前提でしたが、「ディスプレイに近づくだけで3Dが飛び出して見える」「画面の中に奥行きが生まれる」といった裸眼XR技術は、誰もが自然に体験できる次世代の視覚インターフェースとして急成長しています。Statista*¹は、XR市場における「シースルー型・裸眼立体視ディスプレイ」の需要増を指摘し、特に広告・商業施設・店舗演出の分野で投資が加速していると報告しています。つまり、裸眼XRは「専門家だけが使う技術」から、「街中・商業施設・ショールームで自然に触れる日常の技術」へ進化しつつあるのです。
(出典:Statista “XR Display Technologies Report 2024”)
*1:Statista(スタティスタ)とは、世界最大級の統計データプラットフォーム。170以上の業界や150以上の国を対象とした数百万件以上の統計データを提供している。
XRは“ヘッドセットの時代”から“空間ディスプレイの時代”へ
XRというと、これまではVRゴーグルやARグラスが象徴的でした。しかし2024年以降、世界のトレンドは明確に変化しています。
1. “従来ディスプレイ同様に使える”ことが企業導入の最大ポイントに
ヘッドセット型XRの課題としては、
・着用の手間
・長時間装着の不快感
・マルチユーザーでの利用の難しさ
・写真撮影や会話との両立
が挙げられてきました。これに対し裸眼XRは、「従来ディスプレイと同じ導線で、まったく新しい体験を提供できる」点が評価され、商業施設・小売店・ショールームを中心に導入が加速しています。Deloitte*²は、2025年以降の“没入型広告市場”の主役は「街中の裸眼3D広告」が担うと予測しており、都市部の大型ビジョンを中心に市場が急拡大すると分析しています。
(出典:Deloitte Media Trends Report 2024)
*2:「Deloitte」(デロイト)は、世界最大級のプロフェッショナルサービスファーム。日本では「デロイトトーマツグループ」として監査、税務、法務、コンサルティングなどの幅広いサービスを提供している。
2. 都市のランドマーク化──“飛び出す屋外広告”の普及
渋谷・新宿・香港・NYタイムズスクエアなど、世界中の街頭ビジョンで立体視コンテンツが話題になり、SNSを通じて大きな拡散効果を生んでいます。香港のK11 MUSEAでは、裸眼3D広告による来場者増加率が従来比で40%以上高まったと報告されており、ビジュアルインパクトと集客効果の高さが証明されています。
(出典:K11 MUSEA Press Release 2023)
3. 小売・店舗の“体験価値”がKPIになる時代
PwC*³は、小売業で最も投資が増える領域のひとつに「空間演出・顧客体験(Customer Experience)」を挙げており、その中心にインタラクティブディスプレイとXR演出が位置づけられています。
裸眼XRは、
・商品の巨大表示
・実寸大の3Dシミュレーション
・世界観を表現するブランディング演出
・店舗の“写真映えスポット”化
など、デジタル時代の店舗体験を創出するテクノロジーとして、非常に相性が良いと言われています。
(出典:PwC “Global Consumer Insights Survey 2024”)
*3:主に「プライスウォーターハウスクーパース」という世界最大級のプロフェッショナルサービスファームの略称。

裸眼XRの技術解説:ポイントは「視差制御」「深度マッピング」「シーン合成」
裸眼XRディスプレイは、主に以下の3つの技術で構成されます。
1. 視差(パラックス)技術
複数の視差画像を画面内で生成し、左右それぞれの目に異なる画像を届けることで立体感を生み出します。
2. 深度マッピング
3DCGデータや撮影映像に対して奥行きを計算し、「前に飛び出す」「後ろに引っ込む」視覚効果をつくり出します。
3. 空間同期(シーン合成)
ディスプレイ形状に合わせて最適化された3D空間を演出し、“画面の外まで続く世界”を表現できます。これらの技術が組み合わさることで、「裸眼で見えるXR空間」=空間ディスプレイ が成立します。
PXCが展開する裸眼XRビジネスの可能性
PXC株式会社は今後、
・裸眼XRディスプレイの製造
・XRコンテンツの企画・制作
・店舗・商業施設・ショールーム・屋外看板などへの実装支援
まで、一気通貫で提供するソリューションを構築中です。以下にPXCが提供しうる価値と、市場トレンドを掛け合わせて解説します。
1. 店舗:商品訴求×世界観演出で“立ち止まる売場”をつくる
小売DXが加速するなか、リアル店舗の価値は「体験」にシフトしています。裸眼XRディスプレイは、店舗に以下のメリットをもたらします。
・商品をリアルサイズ以上で迫力表示
・キャラクターやブランド世界観を“画面の外側”に拡張
・SNS映えによる自然な拡散
・観光客を取り込む“フォトスポット化”
・デジタルサイネージより高い視認性・停止率
2. 商業施設:イベント演出・ブランドコラボの新スタンダードへ
商業施設は、来場動機を生む“体験型コンテンツ”の導入が必須になっています。
裸眼XRなら、
・季節イベント
・期間限定ポップアップ
・ブランドコラボ演出
・ファッション・アート展示
・体験型フォトブース
など、多様な演出を一つのディスプレイで表現できます。
3. ショールーム:製品理解を深め、営業力を高めるXRプレゼン
ショールームでは、製品を“触れなくても理解できる”→“見ただけで理解できる”レベルに進化させる必要があります。
裸眼XRは、
・実物サイズの製品表示
・内部構造のアニメーション化
・導入シミュレーション
・ストーリー型プレゼンテーション
など、営業資料では伝わりづらい価値を可視化できます。B2B企業にとって、営業効率と体験価値の双方が向上する重要な武器になります。
4. 屋外看板:SNSで“世界に広がる広告”を生む
新宿の“飛び出す猫”を皮切りに、裸眼3D広告は「観る広告」から「撮って拡散される広告」へ進化しました。大型屋外ディスプレイ×XRコンテンツ制作は、都市のランドマーク化・ブランド力強化の両方に直結します。

裸眼XRの今後のトレンド:AIと結びつき、さらに“空間化”が進む
1. AI生成コンテンツとの統合
生成AI(Generative AI)により、立体視コンテンツ制作の高速化・低コスト化が進みます。
2. インタラクティブ化
カメラ・センサーと連携し、
・人が近づくと動く
・視線に反応して変化する
・複数人に合わせて表示が変わる
といった体験型コンテンツが標準化します。
3. 空間演出×サウンド
空間オーディオと結合し、“その場全体が作品”となる演出が普及します。

裸眼XRは「街・店・空間」を変える次世代メディア
裸眼XRは、
・デバイス不要
・誰でも体験可能
・高い視認性と没入感
・SNS拡散性が高い
・店舗・施設・屋外・ショールームなど用途が幅広い
という特徴を持ち、今後の空間ビジネスにおける中核技術になることはほぼ確実です。
PXC株式会社は、ディスプレイ開発 × コンテンツ制作 × 空間導入支援を一気通貫で提供できる仕組みで、“街に、店に、企業に、もっとドラマをつくる”ためのソリューションを展開・提供していきます。

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