【シリーズ】PXCを支えるプロフェッショナルたち:夢中で取り組んだことの結果に無駄なことはひとつも無い。
(Interviewer:PXC株式会社 UTSUSU編集長 田村 典子)

Interviewee:
PXC Inc. Sales Consultant/インサイトコア創業者、エンジェル投資家 島田 大介 氏
シリーズ第4回目は、インサイトコア創業者/エンジェル投資家 島田 大介 氏。PXCのSales Consultantとして、新規顧客のアプローチや既存事業をドライブさせる為の異業種との協業策などで具体的アドバイスやご支援を頂いています。
―いつも多くのご支援・ご指導を頂き有難うございます。本日は島田顧問の現在の活動のことや島田顧問ご自身のことについて、お話をお聞かせ頂ければと思います。宜しくお願いいたします。
(島田氏)はい、よろしくお願いします。
PXCとの関わり、ご縁
―はじめに、PXCとの関わりですが、2019年に未だ島田顧問がインサイトコアの代表取締役会長でいらっしゃった時分に、当時売り出し中のサブスク型サービスの紹介で、わたくしとお打合せさせていただいたことがご縁でしたね。
(島田 氏)そうですね。そこからのご縁で、その後、当時PXCさんで定期的に開催されていたビジネスセミナーにも登壇させていただきましたね。
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<2019年当時 島田顧問に公演して頂いたPXCセミナー>
■セミナー名:店舗企業のデジタルマーケティング最前線
~お得定期券を活用したサブスクマーケティング~
■講師名:株式会社インサイトコア 代表取締役会長 島田大介氏
■セミナー概要:世界の店舗企業のデジタルマーケティングと、今、最も注目される来店頻度を爆発的に高めるサブスクリプション型マーケティングの効果と実践方法を「外食」企業へのサブスク導入実績
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―はい。その節は本当に有難うございました。当時わたしは営業戦略室という部署に所属しておりまして、旧母体であったトスグループから3社合併しPXCに社名変更して間もない頃でしたので、PXCとしての会社の知名度や新しい事業方針転換を広く知っていただく活動の一端として、様々なビジネスセミナーの企画・実施を行っていました。
(島田 氏)PXCさんがもともと得意とされていたフィジカル事業領域に加えて、デジタル事業領域を一層強化されていた時期でしたね。僕は、その時、経営していた株式会社インサイトコアhttps://insightcore.co.jp/index.htmlという会社で絶賛売り出し中の「モンスターパスhttps://monster-pass.insightcore.jp/」というサービスをめっちゃ売りたかったので、飲食店にポスターを貼って貰ったり、飲食店にサービスを提供するような会社に代理店として販売してもらえないかと紹介しまくっていたんですよね。PXCさんにも僕が自らそれを売り込みに行ったことがご縁のはじまりでした(笑)
―わたしが当時、会社全体の戦略を立てるような役回りをしていたので、面白そうな会社様との対応窓口だったことも今考えますと非常に稀な時期でした。本当ご縁でしたね。
(島田 氏)あの時、そのサービスの売込営業で60社ぐらい回ったんですよ、僕。
―60社!会長自ら!(笑) 凄いですね…

株式会社インサイトコア https://insightcore.co.jp/index.html

MONSTER PASS https://monster-pass.insightcore.jp/
(島田 氏)そこから、御社の菅野CEOと繋がり、飯澤COOと繋がりみたいな。
―わたしがとても印象的だったのは、島田さんが若い時分に日商岩井に勤めていらっしゃったとお聞きして、それで「弊社の管野も日商岩井に勤めていたんですよ!」という話になったんですよね。
(島田 氏)そうです、そうです。
―日商岩井時代から、弊社の菅野とは面識があったんでしょうか?
(島田 氏)はい、日商岩井時代に既にお会いしていました。
―そうなんですね!あんなに沢山の社員さんがいる会社で。それもまた稀有ですね。
(島田 氏)そうですね。御社の菅野さんはちょっと変わっていて…って言ったら大先輩なので怒られちゃいますけど(笑)、既存の枠組みにとらわれず、新しいことにチャレンジする勢いみたいなものをとてもお持ちの方で。その当時、菅野さんは審査部で僕は情報産業本部っていうIT系のセクションにいたんですけど、審査部と情報産業本部で、共同で何かビジネスを立ち上げませんか?みたいなことになってたんですよね。それで、菅野さんが僕の所属していた情報産業本部によくいらしてたんです。僕はその時、違うプロジェクトのメンバーだったんですけど、菅野さんが担当されていたプロジェクトも勿論、認識はしていたので、割合近い環境で働いていたんですよ。
―とういうことは、弊社の管野とは10年以上のお付き合いになりますか?
(島田 氏)24年前になりますね。お互い若かったですよ(笑)。
―島田さんの過去のインタビュー記事でも拝見しましたけど、島田さんは日商岩井に入社して3、4年で会社が傾いて退社というか、転職したということですよね。
(島田 氏)いや2年で退職しました。その後は転籍というかたちで情報産業本部がスピンオフして出来た会社に入社しました。
―それで云うと、島田さんのインタビュー記事の中で特に印象的だったのが、島田さんご自身が仕事人生において本当に壮絶な道のりを歩んでこられたので、読者である若い起業家の方々が多少の失敗や挫折でも乗り越えられるんだ、というような励まし方になっていますよね。
(島田 氏)そうかも知れないですね。仕事では本当に何回も死にかけましたから(笑)。
―記事を読んでびっくりしましたよ。波乱万丈伝ですよね。
(島田 氏)そういうものなんですよね、スタートアップってね。
―だから創業者の方っていうのは、やっぱりちょっとある種、特殊な方が多い…(笑)
(島田 氏)そうですね、頭のネジが2・3個飛んでるっていう(笑)。
―最近、このインタビュー企画でも、よく創業者の方のお話をお聞きしますが、正直そういう印象はありますね(笑)。なので「これはやっぱり止めておいたほうが良いかも知れない。」というようなネガティブな発想ばかりをする人は、創業者にはなれないのかなと。挑戦する以上、どんなにリスクヘッジしたとしても未来がどうなるは誰にもわからないので、そういう意味で、多くの創業者の方は半分「死ぬかもしれない」ぐらいの覚悟を持てる人なんだろうなと。
(島田 氏)そうですね、基本、創業者って変な人が多いですよ(笑)。まあ一般的な社会人からすると超マイノリティなので。頭のネジが200本ぐらい飛んでないと、出来ないですよ。僕なんか300本ぐらい飛んでるかもしれない(笑)。

PXCの営業顧問としての役割
―次に、現在PXCの営業顧問として、新規営業開拓や他社との業務提携による事業拡張施策のアドバイスをしていただいていますが、具体的に弊社の新規開拓営業部門にどのような指南をしていただいているのか教えていただけますでしょうか。
(島田 氏)基本的には、新規の見込客を紹介したりするのが僕の役割になっていますが、新規顧客の獲得は勿論重要なんですけど、他社と組むことで事業が成長できるようなパートナー企業っていると思っていて。一緒にビジネスを作っていくっていう事業提携先もそうですし、株主として一緒にコミットしていくっていう資本提携もあると思うんですけど、実際、僕自身、過去に他社とアライアンスを組むことで事業がぐっと加速するっていう経験を結構したんですよ。なのでPXCさんの顧問として、新規の潜在的な見込客を紹介することもやってはいますけど、もう少し大きな意味でPXCさんの事業をドライブさせるようなパートナー企業さんとかを紹介するのが、本来一番僕自身の得意分野を活かした役割として適切なんじゃないかと思っていますね。
―なるほど。自社の事業を発展させるために、要は自分たちの力だけではなく、パートナー先の強みや規模を利用してチャンスを掴むとか、拡張させるとか、そういった部分のアドバイスもして頂いているわけですね。
(島田 氏)アドバイスが十分出来ているかというと自信は無いですけど、只そういった視点を含めて、今後もPXCさんのご支援をやっていきたいと思っています。
―ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。
決断する上で大事にしていること
―次に、島田さんが仕事といいますか、ビジネスをする上で、大事にしていることを教えていただけますでしょうか。
(島田 氏)そうですねー、それは自分の変遷やキャリアに応じて変わってきていると思うんですけど、直近で言うと「自分自身がワクワクするかどうか」という点を凄く大事にしていますね。そのビジネスや仕事が面白いかどうか、自分の心が揺れるかどうか、以上!ロジック関係無し!みたいな感じです(笑)。単に、儲かる儲からないじゃなくて、そのビジネスが楽しそうかどうか。その中身として「こういう人たちとやったら面白そうだな。」っていうのもあるかも知れないしし、完全に自分にとって新領域なんですけど、なんか面白そうだなと感じていて、且つそこで自分自身が持つ特徴や能力がこのプロジェクトに提供できそうだから、この仲間に入るのは面白そうだなとか。色々な側面での「面白そう」がありますけどね。ちなみに僕は今、ラジオとかもやってますよ(笑)。
―え⁉ラジオなんてやってるんですか⁈
(島田 氏)はい!FMラジオですけど。
―ええ⁉ラジオのパーソナリティですか⁉
(島田 氏)そうなんです(笑)。「島田大介のお悩み相談室」っていう番組名でやってます。FMサルースっていう横浜市青葉区のラジオ局なんですけどね。あるラジオ番組にゲストとして出演したときにプロデューサーさんから「なんか声いいですね!7月からひとつ番組枠が空いてるんですけど、未だ企画もパーソナリティも決まってないので島田さんやりませんか?」っ言われて。めっちゃ面白そうだなと思って引き受けました(笑)。ぶっちゃけ、このラジオパーソナリティに関しては、当然ビジネスには全くならないんですけど、僕がラジオ番組に出ていることで、「こんな起業家もいるんだな」みたいなことが世の中に伝われば、それはそれでひとつ良いのかなと。いまどきFMラジオとかじゃなくSNSのほうが良いだろ!っていうツッコミどころもあったりするんですけど(笑)、公共の電波を使っているっていう意味では、それなりにインパクトがあるので、お会いする方々に「あ、ラジオやってるんですね!」って結構言われるんですよ。
―「ラジオもやってる」って最初お聞きしたときに、起業家でエンジェル投資家の島田さんということを考えると、ラジオ局を経営されてるのかと思いましたが(笑)、まさかのラジオパーソナリティでしたか!(笑)。
(島田 氏)はい!ラジオは、出てます(笑)。
―まあどちらだったとしても、一種特異的な感じですけどね(笑)。
(島田 氏)しかもですね、ラジオのお題っていうかテーマとしてもビジネスには全く関係ない「お悩み相談室」っていう。(笑)リスナーの投稿も基本ゆるいものも多くて、“とんかつが好きです。みなさんはヒレ派ですか?ロース派ですか?ちなみにわたしはコロッケ派です”みたいなお悩みとか(笑)。「コロッケ派でしょ、あなた!」みたいなツッコミを入れてますけどね。(笑)毎週第2木曜日の夜10時30からの番組なんですけど、まあお愉しみの時間という感じでやらせてもらっていますね。
―30分番組ですか?
(島田 氏)そう30分くらいです。途中曲を流したりしながら、前半プライベート編・後半ビジネス編の構成でやっているんですけど、そのビジネスの話もそんなにハイレベルな相談ではなく、「人見知りです。どうしたらいいですか?」みたいなお悩み相談だったりするんですけどね。そういうラジオパーソナリティやってみる!みたいなことも含めて、「面白そうだな」っていう感覚を大事にしていますね。自分の本筋かどうかの判断とかロジックとかじゃなくても、自分が面白いと思ってやってることが、何かに繋がるかも知れないし、僕自身、人生の中で無駄なことから生まれることって、結構多かった気がするんですよね。一見、無駄なようにみえて、後から振り返ってみると点と点が繋がって線になって、そこで価値観が変わったり、ビジネスに繋がったりすることが、結構あったんですよね。なので、無駄なことなんて一個も無いんだなって思うし、新しい領域に踏み込むことによって自分の価値観が変わる。また、そこで色んな出逢いがあったりとか、そういうことによって自分のビジネスや自分の世界が大きく成長していく可能性があるんですよね。今やっていることが、この先どうなって、どういう風に繋がるか分からないと思っていて。だから「こうあるべきだ」っいうことよりも、自分がワクワクするんだったらやろう!ってことだけは決めてるんですよ。それが、僕が今一番大事にしていることですかね。それで云うと、池尻大橋で共同経営している飲食店もそうですね。友達に誘われてやってみたら、その店が雑誌の「東京カレンダー」の表紙に取り上げられたりとか。思いがけず色んなことが繋がっていくので、もうなんか面白かったら何でもやろう!と思っています(笑)。

https://www.fm-salus.jp/program

https://www.youtube.com/@shimada_salus
―この質問の冒頭で、島田さんのビジネスや仕事で大事にしていることは、自分の変遷やキャリアに応じて変わってきていると仰っていましたけど、今まで様々なことが山ほどあったからこそ、今、現在そういう考えになったということですよね。
(島田 氏)そうですね。
起業家の特性
―このメディアのインタビューコンテンツでは、特に創業者や経営者の方にお話をお聞きすることが多いんですけど、皆さんに概ね共通して仰るのが「自分が楽しいと思うことをやりたい」って点ですね。当然、皆さん年齢は違いますし、事業やビジネスも様々ですけど。勿論、島田さん同様に、皆さんある程度、歳を重ねて経験をしたという土壌があるからこその考えだとは思いますが。
(島田 氏)仰るとおり実際に「自分が楽しいと思うことをやる」ってことは、新卒とかでいきなり出来ることじゃないと思います。若いうちは目の前にある与えられた課題とかタスクを必死にこなして、そこで自分が物凄く頑張ったことによって何らかの結果が出て、その連続と蓄積されていく経験や知識、スキルセットの中で、「面白そうだ」と思うことに自ら挑戦出来るようになるということだと思うので。なので、今僕は自分自身の直感を信じているというか、49年間紡いできた人生観を指針にしています。リトル本田じゃないですけど、自分の中のリトル島田に相談して、その結果おもしろそうだったらやるっていう感じですかね。
―その「面白そうだ」と思うことの裏側で、リスクは背負いたくないという考えは当然あるわけじゃないですか。もしくは、この程度のリスクだったら問題無いという判断とか。その辺りは、当然「面白そう」と思うと同時に、GOを出す前に幾つかのゲートというか、今までの経験即上でジャッジをするような思考回路にはなっているんですよね?
(島田 氏)そうですね。ただ起業家の特性だと思いますが、ある種リスクをリスクと感じない。なんて云うんですかね、“麻痺”(笑)。だからぶっちゃけ僕が本当に大変な時って、個人連帯保証で1億5千万くらい借金して、毎月1千万づつくらい赤字が出ていって、今、会社倒産したら自分も連帯保証人と全く同じなので、個人負債としてマイナス5千万です‼みたいな時もありましたし。自分のBSというか個人資産が損失していくようになった時は、もう本当にめっちゃしんどいんですよ。でもなんかね「まぁいいか」と思えるような、いや良くはないんですけど、当然そんなしんどい状況下でも、とにかく一生懸命に経営するんですけどね。そんな中で、人って乗り超えた大変さや困難の大きさに比例する忍耐力ややり抜く力みたいなものが身につくと思うんですよね。だから今では、目の前に現れる困難や失敗っていうのは、もう、かすり傷程度の感覚ですし、リスク許容度も格段に上がっていると思います。
―それで云うと、極度に心配性だったり不安になるような人は、起業したり経営したりするのには向かない可能性があるとも言えますでしょうか?
(島田 氏)どうなんでしょうねぇ。ただ、克服はできると思いますけどね。でも、僕もリスクヘッジしまくりますよ。最悪、全損みたいなこともあるんですけども、そんな中でも、どうやったら回収できるかな?って必死に経営はします。何かを始めるのは、思い切りみたいなものが必要なので、「自分が楽しいと思うこと、ワクワクすることをやる」っていう感覚が重要ですけど、そこからは、僕は割合、悲観的になって、PLとか資金調達とかキャッシュフロー大丈夫か?とか、結構そこら辺はゴリゴリにやるっていう感じですね。そういった意味では、初動の最大瞬間風速はめっちゃ勢いがあるんだけど、その後は結構臆病思考なのかも知れませんね。
―身を守るために、最低限必要な防御はしっかりしていくと。
(島田 氏)そうですね、そこはやりますね、めっちゃやります。それは大事だと思いますよ。そうじゃないと只の勢いだけのバカになっちゃうので(笑)。
―なるほど。仕事って、センスとか才能とか積み重ねとか、色々な成功要素がありますけど、起業したり大きな挑戦をすることにおいては、実際の要はハートの強さなのかなと思いますね。
(島田 氏)ハートの強さは大事かもしれないですね。
―そういう意味で、創業者になったり投資家になったりする方って、いわゆる従業員の人たちと何が違うって言ったら、アイデアとか能力どうこうよりも、「生き方」の違いというか、その人の気質とか性質なのかなと思ったりします。一般的な雇用層の人たちとは人種が違うというか。
(島田 氏)リスクはその人の「許容度」だと思うんですよね。それぞれ個人によってその許容度が違って、例えばこの人は100万円まで投資できるけど、僕は5万円しか出せない、とかですね。リスクを金額的・経済的な価値に置き換えるとそういうことだし、時間軸的なリスクもあるでしょうし、いろんな軸があると思うんですけど、その人に合わせたリスク許容っていうのがあって、多分その許容度を大きくしていくっていうことが、その人が大きな賭けが出来るかどうかっていうことだと思うんですよ。だから10万円の投資でも、それは立派な投資だと思うし、先ずはそこからはじめてみる。自分の身の丈サイズ以上のリスクを背負うから場合によっては崩壊するんですよね。人のリスク許容度は皆イコールじゃないし、人それぞれ置かれている条件も全くバラバラなので。それこそ僕も会社が大変な時って本当にお金が無かったし。でも、そういう時でも小さなリスクの取り方って出来るんですよ。それを地道にやっていってどんどん成長していくと、リスク許容度がどんどん大きくなっていって、大きなチャレンジが出来ると。まあ成功するかどうかは別として。
―自分の成長とともに、取れるリスクの容量を増やせるかどうかってことですかね。
(島田 氏)あとは自分のスキルにもよりますよね。例えば自分にスキルが無いのにリスクを取ったら、それは上手くいかんわ!みたいなこともあったりしますし、株の知識が全く無いのに株に投資しますとか。勿論はじめの一歩としてはいいと思うんですけど、失敗する確率が結構高いっていう意味では、ちゃんと自分自身の中にリスクをカバレッジできるスキルセットがちゃんと身についているかどうかというのも大事ですよね。だから、ちゃんと勉強して成長して、その上でチャレンジする、っていうプロセスの中でいうと、自分の為の内的知識を貯めていくっていう作業が第一段階で、その先にリスクを取るっていうアクションがあるのかもしれないですね。
―これはわたしが常々感じていることですが、創業者とか経営者の方って、お会いして間もない時は、一見、とにかく明るくて賑やかで、周りに多くの人が集まるイメージで、反面、凄くおおざっぱというか、大らかな性格に見えるんですけど、実際よくよくその人を知っていくと、普段表面上では見えないだけで、実際、裏側で、もの凄い緻密な計算や情報収集をされていますよね。それと皆さん常に物凄く勉強をされていますね。
(島田 氏)そうですねー、僕も結構おおざっぱに見られるんですよ。まぁ、プライベートでは、そういう側面も確実にありますが!(笑)
―いや、おおざっぱというか、おおらかに見えるんですよね。
(島田 氏)仕事の上では、僕、めっちゃ細かいんですよ。(笑)事業計画とか、ファイナンスも。
―やっぱりそうですよね。
(島田 氏)はい、知見を貯めるという意味で勉強もめっちゃしますしね。色んな人と飲んだりするのも完全に打算的では無いまでも、やっぱり色々な人との繋がりをつくるという意味でやったりしていますしね。意外に経営者とか投資家とかは、みんなそんな感じかも知れないですね。

エンジェル投資家になったきっかけ
―次の質問ですが、既に他のメディアとかネット記事でお話いただいている部分も多いかと思いますが、エンジェル投資家になろうと思ったきっかけについて教えていただけますでしょうか。
(島田 氏)なろうとしたきっかけというか、僕自身は2003年にエンターモーションというIT関連企業を創業したのですが、ただ、僕って、ひとつのことに集中するっていうよりは、色んな人と色んなことをやりたいってタイプなんですよね。それで云うと20年間、自分の会社の経営を続けられたな…って感じなんですね。(笑)創業したタイミングは、あくまでプライベートカンパニーだったので、他に別な人と幾つ会社を作っても誰にも何も言われない状況だったんですよね。外部の投資家が株主にいたら怒られたかも知れないですけど。そんな中で色んな友達と会社を作ったりすることをずっとやっていたんですが、今から考えると、それがエンジェル投資家の走りだったかもしれませんね。2003年当時は未だ「エンジェル投資家」っていう言葉自体が無かったので。
―なるほど、当時「エンジェル投資家」という名称というか肩書を背負っていなかったというだけで、今でいう「エンジェル投資家」マインドみたいなものは、20年以上前からもともと持っていらして、実際その当時から今に近い活動をされていたということですね。
(島田 氏)そうですね。僕は当時、経営は未だよく分からなかったので、色んな人と色んな経営をする中で、自分の見識を溜めてきた感じです。その中で少しづつ自分の得意分野が見えてきて、その自分の得意分野が投資先に貢献できるんだったら、それは意味があるよねと。インターネットの広告代理店とかSEOの会社とかエンジニアの派遣会社の立ち上げにも参画しましたし、レコード会社とか、とにかくいっぱい立ち上げました。それが、今から考えるとエンジェル投資なのかもしれませんね。その中でエンターモーションを設立した3年くらいでVCや事業会社から資金調達をして、株主が入ってきたタイミングで、当然そこからは株主の為にもその会社の経営に集中しなきゃいけないので、暫くの間はエンジェル投資的活動はやっていなかったんですけど、その後、創業した会社が上場会社にM&Aで買収されるとかの人生の転換期があったので、それをきっかけに、エンジェル投資を再開したという感じです。
―過去実際にエンジェル投資活動もされていたので、ここら辺でエンジェル投資活動をメインにしていこうというタイミングになったということですね。
(島田 氏)そうですね。まあ、スタートアップが大好きなので。それこそ「ライフワーク」ですね。
―それが、島田さんが今一番大切にされているワクワクすることですよね。
(島田 氏)そうですね。情熱溢れる起業家のチャレンジを特等席で見れるっていうのは、勿論大変なことも沢山あるんですけど、凄く楽しいし、ワクワクしますよね。
―次はどんな面白いことを考える人が出てくるかっていう愉しさがありますよね。そういう活動をしていると、日本というか世の中の動く方向とかも見えてきたりしますよね。これからどんなものが必要とされてくるのかっていうような。
(島田 氏)そうそう、まさに仰るとおりです。勉強させて貰っている感じです。僕は年間300人くらいの起業家に会うんですよ。そうするとトレンドとか、こんなビジネスあるんだなーとか、これは何かお力添え出来そうだなとかですね。そしたら、投資をして微力でもお力になれたらなと。
―時代の動きが見えるのも楽しいですよね。
(島田 氏)そう、わくわくしますよね。

―ちなみに「エンジェル投資家」っていつ頃からこのネーミングというか言葉ってあるんですか?
(島田 氏)これいつぐらいなんでしょうねー。僕は2003年ぐらいからやってますけど、その当時はそんな言葉はなくて。
―やっぱりそうなんですね。意味合いとして、こういう人を「エンジェル投資家」と呼ぶ、というような定義はあるんですか?
(島田 氏)定義としては、創業して、まだヨチヨチ歩きの頃の会社に個人のポケットマネーで出資する投資家のことですね。創業期ですので、プロダクトも無いですし、起業家のアイデアや情熱だけしかないみたいな会社に資金を提供することもあります。
―そうですよね、プロダクトもサービスも未だ起業家の頭の中にしかないような状態ですもんね。
(島田 氏)そうですよ、もうリスク満載じゃないですか。(笑)そこに資金だけじゃなくて、知見も提供しますよってことですから、言ってみれば「天使みたい」ってことでエンジェルって言われてるのではないかと思っています。(笑)
―「エンジェル投資家」って言葉どおりのネーミングなんですね。(笑)
(島田 氏)だから要はリターンを出す、お金を儲けるっていうこともありますが、未来の社会に対する投資という側面もあるのではと思いますね。むしろ、失敗する確率もかなり高いのも事実です。そこに資金を提供して、うまくいけばVCが調達できてるってことなので、未だVCからも見向きもされない、銀行からも見向きもされないような起業家に投資をするっていうのがエンジェル投資家です。
―それで言うと、エンジェル投資家って、あんまりいないんじゃないですか?
(島田 氏)そうですね、多分日本では200人ぐらいじゃないですかね。その中でもエンジェル投資をメインの活動として目立った活躍をしてる人は多分50人ぐらいだと思います。
―その50人の方々は、年齢、性別はバラバラですか?
(島田 氏)バラバラですね。でも意欲的にやってる人は30代、40代、50代が多いと思いますね。
―60代以上の人は殆どいない感じでしょうか。
(島田 氏)どうなんでしょうねー。僕の周りには少ないかもしれませんね。
―その世代の人たちには、エンジェル投資という文化がないからですかね。
(島田 氏)いや多分、その年代の人たちに対して起業家が繋がれるネットワークが無いからだと思います。
―そういったネットワークでつながるという環境というか、ネット時代に生まれてない方々ですもんね。
(島田 氏)60代以上の方でも知見や資金を持っていらっしゃる方はいっぱいいますし、今後はご高齢の方もエンジェル投資出来るような仕組みやコミュニティができたら面白いなと思いますね。

https://my.prairie.cards/u/ddaisuke7

近い将来取り組んでいきたいこと
―最後に、島田さんのこの先の展望とか、実はこんな夢があるんだみたいなことを教えていただけますでしょうか。
(島田 氏)今も飲食店とか、何人かで会社を作ってやってますけど、そういう共同創業をもう少し増やしたいなと思っています。出来れば日本だけじゃなくて海外でもやりたいですね。今もシリコンバレーとか海外で頑張っているスタートアップに投資はしてるんですけど、今後は自分自身も動く形で視野を広げたグローバルな活動もしていきたいですね。
―今の島田さんの年齢的にいうと、あと10年は完全に現役ですから、全然実現できますよね。
(島田 氏)そうですね。確かこのインタビューシリーズで、株式会社ニードの代表取締役の飯島さんもおっしゃっていましたけど、アフリカですね。僕もアフリカに興味を持ってるんですよ。今、アフリカって、スタートアップも盛り上がってきてるんですよね。凄いチャンスがあるなって思いますね。AIにしてもブロックチェーンにしても、アフリカっていうエリアもそうですしね、この先の未来いろんなチャンスがあるなと思っていて。今の若者が羨ましいですねー。
―じゃあ、現在エンジェル投資家の島田さんも、現在クリエイティブエージェンシー経営の飯島さんも、皆10年以内にはアフリカに行かれるということで(笑)。
(島田 氏)アフリカ広いですからね。
―お話をお聞きしていて、何かにワクワクしたり、夢中になったり、がむしゃらにやることがしんどいと思う人とか面倒くさいと思う人は、結果、人生の中で何も得られないということなんだろうなと思いました。島田さん、これからも末永く面白い人でいてください(笑)。
(島田 氏)ピーターパンのように、常に少年の心を持ってやっていこうと思います。
―でも裏側では物凄く緻密に計算しているという。ちょっと怖いビーターパンですかね(笑)。
(島田 氏)そうですね(笑)。
―本日は興味深いお話をお聞かせいただきありがとうございました。引き続きPXCの営業顧問としてご指導・ご支援のほど宜しくお願いいたします。

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