AI導入の落とし穴 成果を出すポイントは「価値あるマニュアル」と同じ

キーワードは「分解」「言語化」「標準化」

AI×DIGITAL MARKETING TRENDS

人工知能(AI)を業務に取り入れたものの、成果が出ずに悩む企業が少なくありません。
なぜなら、業務の「分解」「言語化」「標準化」というAI導入の必須ポイントを押さえられていないからです。
今回はそのポイントを解説しますが、AI導入以外の通常業務でも重要なポイントなので、ご一読ください。

 

Point 1 分解

「成果物をどう細分化できる?」

例えばAIに対して「部長への説明用に○○の文章を作ってください」と指示したとしても、それだけでは良いものはできません。良い文章を作るためには、執筆のための調査・誰に読んでもらうかの設定・文章の表現方法の決定…など、多くの工程・要素があるからです。どれを蔑ろにしても、おそらく「良い文章」にはなりませんよね。AIはいわば「インターネットが使える、地頭の良い素直な新人」です。そのため、AIへ曖昧に指示してしまうと、AIなりに判断して執筆を進めます。仮に、実際に優秀な新人が入ってきたとしても、雑な指示だけでは「うちの部長にとって最高の説明文章」は作れないはずです。だからこそ、AIに対して細かく指示をする必要があり、そのためにもまずは「工程・要素」を細分化します。

 

Point 2 言語化

「今どうやっている?」

分解したら、次は各プロセスや判断基準を言葉で表現します。新人(AI)はこれまでの会社の暗黙知を当然知りません。例えば、先ほどの通りAIを使って部長への説明文章を作成する場合「部長が重要視している日経新聞を参考にする」「部長好みの文章表現や体裁がある」「部長がさらに報告する先の社長の好みも考慮に入れる」など、暗黙知は意外とあるものです。これらを具体的に言語化しないと、新人(AI)は適切な文章を書けません。

 

Point 3 標準化

「誰にでもできるようにするには?」

言語化したら、次に必要なのは業務の標準化・平準化です。「言語化できているが、自分にしかできない」では意味がありません。新人(AI)や他の人でも確実にできるようにする必要があります。業務をなるべく平準化して文字に残しておくことは、すなわちマニュアル化と同じです。そしてここまでくれば、そのマニュアルをAIに読み込ませることで「自社にとっての良いアウトプット」が見込めるようになります。

 

意外と面倒だと思われたかもしれません。まさにその通りなんです。AIは、指示を出せば論理的に素直に素早く動いてくれます。ただ、自社の暗黙知は知りません。場合によっては、自分たちの欲しいものが「暗黙の知」にすらなっていないこともあると思います。それでは、AIでなくて優秀な新入社員でも良いアウトプットは難しいはずです。
なお、この業務平準化の工程は、仮にAIを導入しないとしても無駄にはなりません。そのまま社員育成のためのマニュアルに使えるからです。AI導入をきっかけに、自社の暗黙知を言語化してみてはいかがでしょうか?業務の整理や言語化、マニュアル化してからのAI導入などはPXCの得意とするところです。いつでもお手伝いいたしますので、お気軽にお声がけください。

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